今も昔もあまり変わらない!?遊女の接客テク4選
江戸時代の“遊郭”(=現代の吉原など)では、いわゆる売春・買春行為が公的に認められていました。
今、風俗で働く女性たちが写メ日記や接客ノートを駆使してリピーターさんを掴んでいるように、かつての遊女たちもさまざまな方法でお客様を繋ぎ止めていたといいます。
ということで今回は、江戸時代の接客テクニック特集!
当時の文献に書かれたエピソードと一緒にご紹介いたします♪
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特別扱いをする
西村定雅『遊女大学』より
■普段は着物を脱がず、ここぞという時にだけ全裸になれば、客は狂喜する。
「あなただけは特別♡」――この言葉は、今も昔も男性の心をくすぐります。遊女は基本的に着衣のまま行為をしていたため、裸を見せる相手はごく限られた人だけでした。
特別扱いの例はほかにもあります。
歌川国芳『華古与美(はなごよみ)』より
男性「足が冷えてるね」
遊女「うん、今日は特に寒いから……あなたが温めて」
「遊女は冬でも足袋を履かない」という風習があったため、足元がいつも冷えていたのだそう。
そんな中、恋人かのように「温めて」とおねだりすることで、お客様の心を掴んだといいます。
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嫉妬する
葛飾北斎『誉おのこ』より
遊女「なんでほかのお店にも行ってるの? 悔しくて夜も眠れなかったよ」
男性「噂を信じちゃダメだよ。ほかの女の子のところに行くわけないじゃないか」
好意を抱いている相手から嫉妬をされるのは、誰だってうれしいもの。
とはいえそればかりではなく、謝られたらすぐに許す、そして普段以上に濃厚な接客をするなど、アフターフォローも忘れなかったようです。
同情をひく
葛飾北斎『誉おのこ』より
遊女「お母さんが病気なの。でもお見舞いには行けないし、お金を送るくらいしかできないんだよね……」
~後日~
男性「もうお母さんの病気はよくなった?」
遊女「うん。この間、お父さんが会いに来てくれたから、あなたがいつも親切にしてくれると話しておいたよ」
お金を貸してあげたのか、それとも遊郭に来る回数が増えたのか……どちらにせよ、男性はすぐにもう一度会いに行ったようですね。
当時、家族に異性の話をするのは特別なこと。きっとお客様も大喜びだったのではないでしょうか。
手紙を書く
喜多村信節『嬉遊笑覧』より
(手紙のコツは)綺麗な文字で書くことが大切。内容は、できるだけあっさりと思わせぶりに。
江戸時代は文字を書けない人が多く、手紙をもらうこと自体がレアなものでした。
そんな時代に、何度も通うほど好きな相手から届いた手紙ですから、お客様もさぞよろこんだことでしょう。
では実際に遊女が書いた手紙を2つ紹介します。
“桂”の手紙
昨日の綺麗な月をあなたも見ましたか? 私のことを思い出してくれましたか? またすぐに会いに来ると言っていたのに、なかなか来てくれないですね。私への思いは深くないのかな……。
きっと彼女は、お客様と一緒に月を見たことがあるのでしょう。具体的なエピソードを書くことで親密度をアピールしています。
“古今”の手紙
今日も私は一人ぼっちでした。あなたと逢えない人生はとてもつまらないです。自分で自分が抑えられないほど切なくなることって、意外と多いですよね。
こちらは非常にストレートな内容。「自分を抑えられない」と弱音を吐くことで、相手に特別感を与えたかったのかもしれません。
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