





素材も用途も全く別モノ!? 大人のおもちゃの歴史はエロだけじゃない!
今回のテーマは“ラブグッズの起源”。もともとは治療用に開発されたものや、誤った使い方で世間に浸透してしまったもの。中には現代では考えられないような用途で使われ始めたおもちゃも登場します。
さまざまな諸説をもとにまとめた、驚き要素満載の歴史を見ていきましょう。
【バイブ】:世界3大美女の1人が発明? その後は医療器具にまで進化!?
始めに紹介するのはアダルトシーンでもおなじみのバイブ。
最近ではスマートフォンと連動する商品など、斬新なアイテムが数多く登場しています。
そんなバイブが誕生したのは……?
紀元前69年から30年頃、世界三大美女の1人、クレオパトラが嗜好品として召使いに作らせた性具が原点と言われています。
しかし電気のないこの時代にどうやって動かしていたのか? 一説によるとクレオパトラは数十匹のハチを閉じ込めたヒョウタンを用意し、それを叩いて暴れだしたハチの振動を利用していたそうです。自慰行為に昆虫、しかもハチを使うなんて命がけですよね。
時は過ぎて1880年代。この時代になってようやく電池で振動するバイブをイギリス人の医師が開発します。
実はこの当時、子宮の鬱血が原因で発症する一種の不安障害が女性の間で流行り病になっていました。医者はその治療行為の一環として「女性器へのマッサージで症状を和らげる」という方法をとっていたのですが、あまりにも手に負担がかかりすぎたため、バイブを当てる方法が新しく導入されたそうです。
なおこの電池式バイブ、昔は小型化や軽量化などの技術が発達していなかったため、据え置き型で重さはなんと18kgもあったのだとか。


【電マ】:バイブの正当進化! AVがきっかけで国内でもおもちゃへと変貌!
次に紹介するのは「電動マッサージ器」こと通称、電マ。
風俗店のオプションとして採用しているところも多く、認知度はかなり高いラブグッズではないでしょうか。
そんな電マが誕生したのは……?
電マはバイブがモデルチェンジを繰り返して誕生したと言われています。
不安障害を和らげる治療器具としてバイブが使われて以降、イギリスやアメリカでは「バイブをアソコに当てると気持ちよくなる」といった認識が広まり、だんだんとその存在が世間に浸透。結果、1900年以降はラブグッズとして市販されるようになり、誰もが手に入れられるアイテムに。
しかし当初は「堂々と大人のおもちゃを販売するのはいかがなものか?」という倫理的な観点から、あくまで顔や背中の痛みを和らげるマッサージ器具という“てい”で発売され始めたそうです。
その後新商品の開発が進むにつれ、次第に小型化や振動スピードの調整などの特徴が追加されて、最終的に1960年に現在の電マに一番近いモデルになったとのこと。
ちなみに日本では1968年に純粋な健康家電として“ハンディマッサージャー”という商品を販売。しかし1990年代の国内AV作品の中でアソコに刺激を与えるための道具として、メーカーが本来意図したものとは異なった使い方をされたことから、結局国内でもラブグッズとして定着してしまったのだとか。


【ディルド】:紀元前には既に誕生!? 男女ともに愛用されたアイテム!
最後に紹介するのはディルド。
現在は肌に優しい素材が使用されているほか、洗練されたデザインの高級モデルも世界中で販売されるなど、数あるラブグッズの中でもメジャーな商品と言えます。
そんなディルドが誕生したのは……?
紀元前2800年の新石器時代。採掘時に発見されたのは、石で作られたものだったそうです。
デザインは今とほぼ変わらないものの、昔はラブグッズとしてではなく“神聖な儀式で必要な装飾品”という扱いだったと考察されています。
また日本では飛鳥時代(592年-710年)、遣唐使一行が青銅で作られたディルドを持って帰ってきたのが始まり。しかし男性器が「子孫繁栄」の象徴とされていたこともあり、国内でも初めは仏様のような信仰の対象として神社に祀られていたとのことでした。
ディルドが性具として使われるようになり、民衆に広まり始めたのは江戸時代。木や陶器で作られたものが一般的に販売されるようになり、異性との付き合いが厳禁だった大奥の女中のほか、後ろの穴を自分で開発するために使っていた男性もいたのだとか。


昔の人のアイデアはすごい! そのほかのおもちゃにもこんな歴史が!
紀元前から既に誕生していたラブグッズ。それらの歴史を紐解いていくと、決してエッチなことが目的ではない、それぞれの時代ならではの文化や誕生した背景が見えてきました。
では最後に、今回取り上げた3つ以外の歴史も簡単にご紹介します!
ローション
紀元前753年の古代ローマ帝国時代には既にオリーブオイルがローションとして使用されていたという文献が残っています。
なお日本でも江戸時代にはトロロアオイという花の根を粉末状にした「通和散(つうわさん)」と呼ばれる、ぬめりのある薬が販売されたり、中には「卵」と「フノリ(海藻の一種)」を調合して、オリジナルのローションを作っていた人もいたのだとか。
オナホール
日本で確認できる最古のものは江戸時代。当時は希少素材のべっ甲とビロード(肌触りのいい繊維)で作られた「吾妻形(あずまがた)」という名称で販売されていたそうです。
しかし庶民にとっては非常に高級品で、高いものだと今の価値で約40万円。そのためウリやこんにゃくなどの食品を筒状にくり抜いて代用するのが一般的だったと言われています。
成人雑誌
世界最古のエロ本とされているのは、なんと712年に日本で誕生した「古事記」。エピソードの中には登場人物の性行為について取り扱う話も多かったそうです。
また後にアダルトな文章だけでなくイラストまで付いた「春画」が多くの人に楽しまれるようになりました。驚くべきことにこの時代から男性用はもちろん、女性用(ボーイズラブ)も発売されていたそうです。





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